-
軒天の張り方と重ね張りについて 軒天張り替えリフォーム施工例
今回は屋根の軒天(軒天井)の張り方と重ね張りについての記事です。
住宅用の軒天材には「合板(ベニヤ板・ピーリングなど)」「ケイ酸カルシウム板(ケイカル板)」「新建材」など多くの種類があります。
合板製の軒天材であるベニヤ板や「ピーリング」と呼ばれる木目調の軒天材は20年前後で剥がれたり劣化が目立ってきます。
合板の劣化の原因は経年劣化による接着剤の剥離です。
接着剤が剥がれ始めてきた建築材料の劣化は止められません。
応急処置などの一時的な補修が可能な場合もありますが、剥離してしまった素材の表面は補修するための接着剤も接着しづらくなっていることが多いです。
また、剥がれてめくれあがってきた素材自体もクセがついてしまっている場合が多いので元に戻すことは困難です。
剥がれてしまった軒天材はどうやって張り替えるのか!
前述のように剥がれてしまった軒天材など劣化が目立っている軒天材は全て剥がして張り替えるのが基本です。
軒天材は接着剤と釘を併用して張っていることが多いのでキレイに剥がしてから新しい軒天材を張ります。
こちらの写真はピーリングと呼ばれる木目調の軒天材です。
屋根の角の部分などが特に劣化した状態です。
こちらはお客様のご要望により劣化している部分のみを張り替えました。
工事中の写真です。
新しい軒天材は下地材である軒天野縁(のきてんのぶち)に着色釘で釘どめします。
部分張り替え完了時の写真です。
大倉工業「鼓舞Z」のリフォーム施工例のYouTube動画
こちらは既存の軒天材をはがして新建材の軒天を張っている時の写真です。
素材はケイ酸カルシウム板に似ている素材です。
ケイ酸カルシウム板の表面がエンボズ加工されていているような建材です。塗装済みの製品です。
ニチアス エコラックスエンボスのき天
ニチアス「エコラックスエンボスのき天」のリフォーム施工例のYouTube動画
こちらはケイ酸カルシウム板に塗装をした施工例です。
ケイ酸カルシウム板の厚みは5mmです。
小山市SM様邸の軒天張替リフォーム施工例のYouTube動画
軒天材は重ね張りして張れるのか!
劣化した既存の軒天材の上に新しい軒天材は張れるのか?
答えは条件付きですが可能です。
劣化している軒天材を剥がさないで軒天材を張る場合は下地である野縁(のぶち)が細かいピッチで入っている場合は可能です。
肝心なのはステンレス製のスクリュー釘などでしっかり留めることが可能なのかが重要です。※ケイ酸カルシウム板に塗装仕上げの場合
しかし、多くの場合の軒天部分の納まりとして軒天の外壁側は下地が入っていますが破風板側は野縁が取り付けてないケースがほとんどです。
なぜなら破風板の溝の中に軒天を差し込んで納めるのが一般的な施工方法だからです。
合板製の軒天材の多くは厚みが3ミリぐらいです。
よって破風板の溝は3ミリよりすこし大きいぐらいの溝が掘ってあります。
しかし、ケイ酸カルシウム板の5ミリや6ミリを張る場合は溝に差し込んで張ることが出来ません。
また、現場に取り付いている破風板の溝を大きくすることは現実的に施工することは難しいため、リフォームで張り替えする場合は溝の横に野縁を抱かせて受材にしてから軒天材を張ります。
軒天の張り方のまとめ
軒天の納まりは現場ごとに異なります。
破風板と外壁の種類によっても納め方(施工方法)は異なります。
軒天は強風時に風圧を受ける箇所なので見た目も重要ですが釘でしっかり留める必要があります。
また、地域によっては防火・準防火などの法令上の制限なども考慮して施工する必要があります。
下地さえきっちり入っていればDIYが得意な方でしたら張り替えすることも可能ですが、きちんとした施工をするのは意外と奥が深い部分でもあります。
今回の記事がこれから軒天材の張り替えをご検討されている方々にとって参考になれば幸いです。
2017.11.17スタッフブログ担当/小野寺 秀行〈資格〉建築士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー、給水装置工事主任技術者、栃木県震災建築物応急危険度判定士、福祉住環境コーディネーター、福祉用具専門相談員
住宅リフォームを専門分野とする建築士。特に木造住宅の設計・リフォームに関しては小山市・小山市周辺で2,800件以上の設計・施工実績(住宅リフォーム実務経験年数24年)趣味は登山・クライミングです。
小山市・野木町・栃木市・結城市・古河市です。
※車で30分以内を目安に工事対応エリアとさせて頂いております。
お問い合わせ下さい。
過去の記事
最新5件
月別
- 2023年10月 (1)
- 2023年9月 (2)
- 2023年8月 (3)
- 2023年6月 (2)
- 2023年2月 (2)
- 2023年1月 (3)
- 2022年12月 (4)
- 2022年11月 (3)
- 2022年10月 (10)
- 2022年9月 (19)
- 2022年8月 (16)
- 2022年7月 (12)
- 2022年6月 (1)
- 2022年5月 (8)
- 2022年2月 (1)
- 2021年12月 (1)
- 2021年10月 (1)
- 2021年9月 (9)
- 2021年8月 (12)
- 2021年7月 (8)
- 2021年6月 (1)
- 2021年5月 (1)
- 2021年4月 (1)
- 2021年3月 (4)
- 2021年2月 (3)
- 2021年1月 (10)
- 2020年12月 (5)
- 2020年10月 (1)
- 2020年9月 (5)
- 2020年8月 (4)
- 2020年7月 (13)
- 2020年6月 (20)
- 2020年5月 (22)
- 2020年4月 (29)
- 2020年3月 (22)
- 2020年2月 (20)
- 2020年1月 (21)
- 2019年12月 (21)
- 2019年11月 (20)
- 2019年10月 (20)
- 2019年9月 (20)
- 2019年8月 (21)
- 2019年7月 (22)
- 2019年6月 (20)
- 2019年5月 (20)
- 2019年4月 (20)
- 2019年3月 (20)
- 2019年2月 (21)
- 2019年1月 (20)
- 2018年12月 (7)
- 2018年11月 (2)
- 2018年10月 (1)
- 2018年9月 (1)
- 2018年8月 (1)
- 2018年7月 (4)
- 2018年5月 (4)
- 2018年4月 (3)
- 2018年3月 (9)
- 2018年2月 (10)
- 2018年1月 (11)
- 2017年12月 (11)
- 2017年11月 (21)
- 2017年10月 (22)
- 2017年9月 (27)
- 2017年8月 (20)
- 2017年7月 (20)
- 2017年6月 (24)
- 2017年5月 (24)
- 2017年4月 (20)
- 2017年3月 (19)
- 2017年2月 (20)
- 2017年1月 (21)
- 2016年12月 (20)
- 2016年11月 (19)
- 2016年10月 (27)
- 2016年9月 (20)
- 2016年8月 (24)
- 2016年7月 (21)
- 2016年6月 (13)
- 2016年5月 (13)
- 2016年4月 (25)
- 2016年3月 (23)
- 2016年2月 (21)
- 2016年1月 (16)
- 2015年12月 (14)
- 2015年11月 (20)
- 2015年10月 (26)
- 2015年9月 (20)
- 2015年8月 (6)
- 2015年7月 (3)
- 2015年6月 (6)
- 2015年5月 (7)
- 2015年4月 (11)
- 2015年3月 (3)
- 2015年2月 (6)
- 2015年1月 (14)
- 2014年12月 (16)
- 2014年11月 (10)
- 2014年10月 (22)
- 2014年9月 (20)
- 2014年8月 (12)
- 2014年7月 (11)
- 2014年6月 (7)
- 2014年5月 (13)
- 2014年4月 (16)
- 2014年3月 (10)
- 2014年2月 (12)